法律相談は、私たち弁護士が最初に出会う緊張ある仕事である。相談をされる方が抱えておられる問題を正確に把握しなければならないし、専門家として解決にむけた方向性への意見を述べる必要があるからだ。正確に把握するには、細かいところまでを聞き取らなければならないというものではないが、ケースに応じ、ポイントを押さえて聞き取らなければならない。

「法律相談は人生相談ではない」と言って、冷たく対応する弁護士もいると聞く。本当なのだろうか。これが本当の話ならば、それは少し違うと思う。法律相談は人生相談や生活相談の中にある。人生相談や生活相談の中から、事実を整理し、問題点を正確に聞き取ることこそが弁護士の大切な職務である。ただただ話を聞いたり、丁寧に聞けばよいというものではないところが難しい。

私たちの事務所は、法律相談は単なるサービスでもなく、単なるきっかけでもなく、基本的で重要な職務と考えている。それゆえ、基本は有償である。もちろん、実際には無償のケースもあるが、それは別の理由に基づく。

(弁護士 蒲田孝代)