新型コロナウィルスが国内に蔓延し始めてから、気がつくと1年以上が経過してしまいました。
 この蔓延により私達の生活で大きく変わったこと、その1つが「マスク」。
 花粉症ではなく、滅多に咳風邪をひくこともなかった私は、これまで、マスクとは全く縁のない生活を送ってきました。
 それが、マスクを着用して生活しなければならない日々が始まり、鬱陶しいわ、耳が痛いわ、話しづらいわ・・・。
 でも、その生活が1年以上も続くと、多少は慣れてきたでしょうか。

 ただ、未だ慣れないのが、話している相手の表情が見えないこと。
 弁護士の仕事上、コロナ禍でも、相談者さんや依頼者さんに事務所までお越しいただいて、又はこちらからお訪ねして対面でお話しすることがどうしても避けられません。
 その時、対面する方のお顔を見て話をしても、双方の顔の半分以上がマスクで隠れてしまっていると、その人がどのような感情で話してるのか、自分の話している内容や込めた思いがどこまで伝わっているのか・・、相手の目の様子や声の調子といった限られた情報から推測し、自分の目や声だけで伝えなければならない。
 「目は口ほどに物を言う」という言葉がありますが、いやいや、今までどれだけ口元や顔全体の表情が、人と人とのコミュニケーションに重要だったのか、「『表情』は口ほどに物を言う」だったことを実感しています。

 なので、最近の私は、マスク下の表情も漏れ伝わるかもしれない、マスクに負けないぞ~と、顔全体を動かしてお話しをしている日々なのですが、伝わっているでしょうか?
 マスクと別れを告げ、周囲の人たちと顔全体、表情全体でお話しできる日が待ち遠しい限りです。

(弁護士 齋藤 雅子)