今から77年前の1945年6月23日、沖縄での組織的な戦闘が終結しました。およそ80日間にわたる地上戦の中で、20万人もの人々が犠牲となりました。今でも帰らぬ遺骨が多数存在し、不発弾も地中に眠り続けています。沖縄戦で失われた生命・文化・社会は取り返しのつかないものであり、今なお深い傷を残しています。

 今年は、沖縄の日本復帰50年の年でもあります。沖縄は、面積としては日本0.6%ほどにすぎませんが、全国の米軍専用施設の70%が集中し、重い基地負担を背負い続けています。米軍関係者による事件もさることながら、沖縄市民は米軍基地があることで攻撃を受けるのではないかという不安を抱え続け、終戦から77年たった今なお、戦争に対する恐怖はぬぐわれていません。

 悲しいことに、今年はロシアによるウクライナ侵攻が継続する中での慰霊の日を迎えました。戦後77年たった今でも世界では戦争がなくならず、戦争の歴史は繰り返されています。日本は、77年前に不戦を誓い、世界平和の構築を約したはずですが、世界の中でその役割を果たせてきたのでしょうか。われわれ市民は、戦没者の冥福を祈るとともに、二度と沖縄戦のような悲劇が起きないよう、武力によらない平和を構築するための努力を日本政府に求め続けなければなりません。

所員一同